いつもの兄弟喧嘩、「また、始まった…」「怒ったり泣いたりばかりで疲れた…」。うちの子供たちは仲が悪い兄弟なのかなと思っていませんか?
心配ありません。兄弟は気が合うからこそ、ぶつかってしまう。仲良し兄弟こそ喧嘩が多くなってしまうのですよ。
子供の兄弟喧嘩は、意見のぶつかり合いです。親のせいでも、育て方のせいでもありません。大人が心配するほど、子供たちは傷ついたり悲しい思いをしていない場合がほとんどです。
しかも、兄弟喧嘩は悪いことばかりではありません。喧嘩を通して得るものがあるのです。
この記事では、兄弟喧嘩の原因や正しい大人の介入方法、喧嘩を少なくする方法を紹介します。
兄弟喧嘩をやめさせたい時は
- 時間がかかっても子供たちで解決させる
- 喧嘩を減らすコツを知ろう
- 別に喧嘩の原因が無いか考えよう
そもそも、兄弟喧嘩はダメなこと?本当に仲が悪い?
年が近い兄弟や姉妹の場合、毎日のように始まる兄弟喧嘩。親は「また始まった。」とあきれてしまいますね。
大人にとっては、意味のない争いのように感じますが、子供たちにとっては一大事。ママやパパに自分の気持ちを分かってほしくて仕方ありません。
喧嘩は意思と意思のぶつかり合い。決して相手のことが嫌いだから喧嘩をするのではありません。自分の考えや意思を言葉で伝えられるようになれば、少しずつ喧嘩をしないで済むようになります。
つまり、喧嘩を良いチャンスと考え、上手なコミュニケーションを学ぶ機会にしましょう。
兄弟喧嘩するほど仲がいい
喧嘩は一緒にいる時間が多い兄弟だからこそ、何度も同じようにします。やりたいことが同じ、欲しいものが同じ相手だからこそ、争ってしまいます。
さっきまで仲良く遊んでいたのに、気が付くと喧嘩になっているということはありませんか?そして、喧嘩のあとは、何もなかったように夢中で一緒に遊んでいるということも。
つまり、兄弟喧嘩は仲がいいからこその行動です。小さい頃はずっと兄弟喧嘩をしても、それは一時期だけ。大きくなってもずっと仲良し兄弟なので、喧嘩が多くても心配いりません。
兄弟喧嘩の仕方で成長が感じられる
年齢別に喧嘩の時の状態を見てみましょう。年を追ってみることで成長が感じられます。
3歳ごろ:自分は悪くないと言って謝らない
5歳ごろ:「物を取られたから、取り換えしたのに、叩かれた」と時系列で説明する
小学生:口喧嘩から始まり、最後には怒って自分の部屋にこもる
2歳ごろは、自分の思い通りにならなければ、泣くしかできません。しかし、3歳になると自分の行動と相手の行動が理解できるようになります。
そして、5歳ごろになると、なぜ喧嘩になったのかが分かり、自分の行動を説明できるようになります。
小学生になると、言葉で自分の気持ちや主張ができるようになり、手が出る前に相手と距離を置けるようになります。
一見すると、困った兄弟喧嘩ですが、相手や大人に自分の気持ちを伝えらるように成長していることが分かりますね。
兄弟喧嘩の経験が優しい子を育てることになる
兄弟喧嘩が激しくなると、手や足が出てしまうことがあります。相手をたたいてしまったり、押して倒してしまったりすることは多々あります。
親はけがをしないか心配になりますが、小さい頃に喧嘩している子の方が、物の限度が分かり、手加減できる子になります。
それは、叩いたり叩かれたりする経験をすることで、痛い思いや嫌な思いを味わっているからです。痛くなくても、自分が押してしまって、相手が転んで泣いていると「自分が悪かった」と感じるものです。
良い経験ばかりが優しい子を育てるとう事は無く、けんかをする経験も心の成長につながっています。
兄弟喧嘩の正しい対処法
喧嘩は悪いことではないと説明してきましたが、喧嘩ばかりしてはいけません。上手に仲直りしたり、解決したりする方法を学ぶ必要があります。
大人からすると、どっちでもいいようなことだったり、明らかにどちらかが悪いと思うことだったりしますが、子供たちはそのように感じていません。
まずは、子供たちの気持ちを知るところから始めましょう。子供の気持ちに共感することが大事なことです。
兄弟喧嘩は子供たちで解決させる
喧嘩をすると、「ママ~」と泣きついてきますね。その時は「どうしたの?」と聞くだけで、親が積極的に行動するのは控えましょう。
子供は喧嘩すると、ママやパパに駆け寄って自分の気持ちを伝えてきます。でも本当なら、それは喧嘩の相手に言うべきことなのです。
大人にゆっくり聞いてもらったら、そのまま同じように喧嘩の相手に言えるように助言してあげてください。
ママ:「どうして?」
子供:「僕が遊んでたのに、お兄ちゃんが勝手に取った。お兄ちゃんのは向こうにあるのに。」
ママ:「じゃ、お兄ちゃんにそう言っておいで」
兄弟喧嘩に大人が介入しなければならない時とは
子供の喧嘩は子供で解決する方が良いですが、大人がすぐに止めに入らなけれならない時があります。
大人がけんかを止めるべき時
- 手や足が出てしまった時
- どちらか一方的な喧嘩になっている時
- 激しすぎる言動
判断基準としては、危険な時と常識的範囲を超えたときです。兄弟喧嘩はどうしても年下と年上の喧嘩になります。
そして、体格差によっては年上の子が手を出してしまうと小さい子はけがをしてしまいます。年上の子が手加減できなくなると、大人が止めなければ危険です。
また、物を壊したり、激しい言葉を使ったりする場合、口喧嘩でも言ってはいけないことを言った場合は必ず止めましょう。
いつも大人が喧嘩を止めるのではなく、本当にダメな時だけ止めに入るようにすると、子供もこれ以上はダメだと理解できるようになります。
けんかを止めた後は、限度が超えたことを子供たちに必ず伝えましょう。喧嘩の原因やどちらが悪いかは関係ありません。
実際の兄弟喧嘩に置き換えてみると…
大人:やめなさい。2人とも離れて。
兄:僕が本読んでるのに、~ちゃんがとろうとしたから。
大人:今それは関係ない。本を投げたのはダメ。~ちゃんにあたるところだったでしょ。
兄:悪いのは~ちゃんなのに…
大人:本を取ろうとしたのは悪いことかもしれないけれど、投げた本が~ちゃんにあたったらどうなる?
兄:けがする…
大人:そうでしょ。けんかしても、相手がケガするようなことまでしたらダメ。嫌なことがあったのなら、ちゃんと口で言ったほうがいいね。
兄弟喧嘩では、無理やりあやまらせない
兄弟喧嘩でよくあるのは、始めは下の子が悪いのに、上の子が手加減できずに怒られてしまうパターンです。上記の絵本を投げたケースも同じです。
このような場合が続くと、上の子ばかりが怒られて、下の子に謝らないといけないことになってします。お兄ちゃんは不公平さを感じるかもしれませんね。
「絵本を投げたことは自分が悪い。でも絵本をとったのは~ちゃんが悪い。」とお兄ちゃんに2つのことを分けて考えてもらわなければなりません。無理やり謝らせて、その場を終わらせてはいけません。
実際の兄弟喧嘩に置き換えてみると…
大人:絵本を投げたのはダメ、~ちゃんに謝りなさい。
兄:でも絵本取ったのは~ちゃんだよ。やめてってゆったのに、取ったから…
大人:本が当たっていたら、けがしたでしょ。ちゃんとあやまりなさい。
兄:ごめんなさい
弟:いいよ。
大人:なぜママが止めに入ったか分かる?
兄:絵本投げたから。
大人:絵本が~ちゃんに当たったら、どうなるの?
兄:けがする。
大人:けんかをしても、相手がケガするようなことはしたらダメ。それだけは約束して。約束できる?
兄:できる。
大人:よし、分かってくれてよかった。喧嘩の理由は何だったの?
兄:やめてってゆったのに、~ちゃんが絵本とったからけんかになった。
大人:そしたら~ちゃんに、ちゃんと分かるように言っておいで。後で貸してあげるって言ったら待ってくれるかもね。
兄弟喧嘩を少なくするためには
兄弟喧嘩は、成長するのに良い影響を与えてくれます。しかし、毎日兄弟喧嘩がおきているなら、少なくしたいですよね。
ここからは、兄弟喧嘩を減らすコツを解説します。状況により、効果がありそうなものを試してみてください。
距離をとろう
兄弟喧嘩が始まりそうな時は、物理的に距離を取るのが1番です。
子供はくっついて遊びたがりますが、近くにいると喧嘩しすくなります。
同じブロック遊びをするにしても、1人は机で、もう1人はおもちゃ箱の近くで、など個人の場所を作ってあげます。そうするだけで、喧嘩の回数はずいぶん減ります。
これは喧嘩が起こってしまった時にも有効な方法です。一旦距離をおいて落ち着かせましょう。
事前にルールを決めておく
喧嘩で困るのは、加減ができなくなってしまうことです。けがをしたり、物が壊れてしまってはいけません。
もちろん、そのような行動をとってしまった時はすぐに止めて注意します。でもけがをしないように、事前にお約束しておきましょう。
約束は体が大きい兄や姉とすることが増えるかもしれませんが、約束は兄弟一緒にする方が良いでしょう。
もちろん、理解の度合いは年齢によって変わります。しかし、どちらも同じルールを守らなければならないというほうが平等で、子供も納得します。
- 蹴ったり叩いたりするのはダメ
- どちらかが泣いてしまったら、いったん休戦
- 「死ね」は絶対に言わない
- 固いものは投げない
これは、我が家の子供達と決めたルールです。暴力と同じように、言葉でも言ってはいけないことを決めている点がポイントです。
気をそらす提案をする
一緒に遊んでいる時、喧嘩になりそうになってきたら、別の提案をしてあげるとよいでしょう。子供たちが同じおもちゃや物を取り合ってしまうと、喧嘩の最中では意見が平行線になってしまいます。
そんな時は、「おやつにしよう」と切り替えてあげるのが、1番早いかもしれません。毎回使える手ではありませんが、ママが疲れている時などにおすすめです。
「テレビみよう」や「お外行く?」など、なんでもいいので喧嘩に向き合わないでいいような提案をしてみてください。
お母さんと同じように、子供も喧嘩をすると疲れるので、別の提案を聞いて気持ちが楽になる場合もありますよ。
そもそも兄弟喧嘩の原因は?本当の問題は別にある場合が。
なぜか最近イライラしている。すぐ怒ったり泣いたりする。など、いつもと様子が違うと感じる時は喧嘩以外に原因があるかもしれません。
ここからは、子供の心の中にあるモヤモヤを紐解いていきましょう。
自分の存在を認めてほしい
例えば、妹ばかりが可愛がられていると感じている姉だとします。その場合、本当は貸せる物でも、妹が「貸して」というと、絶対に貸してあげません。
その理由は、「いつも妹ばっかり色々もらってるのに、私のものまで欲しがるなんて」と思っているからです。
この場合、姉が妹に貸してあげないことが問題ではありません。お姉ちゃんがなぜそんな風に思っているのか、考えなければいけません。
寂しいのかもしれないし、妹の意見ばかりと思って不公平さを感じているのかもしれません。
もし、お姉ちゃんの気持ちに気づかず「使ってないなら貸してあげなさい」と言って、ママが勝手に妹に渡してしまうとどうなるでしょう?姉はさらに「妹ばっかり」と感じてしまいます。親にそんなつもりはなくても…
この場合、お姉ちゃんとゆっくり話をする必要があります。「自分の意見も聞いてもらえる」と感じてくれるまで、膝の上で甘えさせてあげながら、ゆっくりと話を聞いてあげたいですね。
いつも比べられていることへの反発
兄弟なら誰もが少なからず感じることですが、比べられていることに反発する場合があります。親はそんなつもりはないのですが、多くの場合は親の言動が発端です。
「お兄ちゃんなのに」とか「お兄ちゃんは〜才の時にできていた」など、何気ない言葉が、イライラやモヤモヤの原因になります。
ママ友やおばあちゃんなどと大人同士で話している時の内容も、子供たちはよく聞いています。兄弟を比べる言動になっていないか、気をつけて話すようにしましょう。
ストレスが別にある
例えば、幼稚園でお友達と喧嘩してしまった。ピアノの練習が上手くいかない。という時にもよく喧嘩になります。八つ当たりなのですが、それくらい子供の心に負担になっているのだということを知っておきましょう。
なんとなく機嫌が悪いなと感じる時は、1対1で話ができる機会を作り、ゆっくりこどもの話を聞きましょう。
すぐに話してくれなくても、ママやパパと話ができれば、子供のストレスは軽減されます。
兄弟喧嘩しても仲直りすれば良し!仲良し兄弟には喧嘩もあり。
兄弟喧嘩は、基本的には大人が仲裁に入らない方が良いでしょう。子供の喧嘩は子供自身で最後まで対応するのが理想です。自分たちで解決するために、大人は導いてあげるだけです。
しかし、危ないことや限度を超えた場合は、すぐに大人が喧嘩を止める必要があります。大人が仲裁に入った時は、どちらか一方の意見だけでなく、双方の話を聞き、大人の見守りの下で子どもたちに話し合いをさせましょう。
兄弟喧嘩が何度も続くと、大人はうんざりします。しかし、喧嘩から学ぶことはとても多く、成長すれば優しく、兄弟を思いやれる子になります。
「兄弟喧嘩がひどい」「兄弟が仲が悪くて心配」という方は、是非一度【Make You Happyご相談室】にご相談ください。お話を聞いて、アドバイスさせていただきます。
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